中小企業向けのクラウドソリューション事業を展開し、サテライトオフィスを構える富士吉田市の地域活性化事業も手掛ける「キャップクラウド株式会社」(本社:東京都千代田区、サテライトオフィス:富士吉田市新西原)。「働き方、パーソナライズ」を企業理念に掲げ、"働き方の選択肢を増やし、自分らしい働き方を選択できる社会"の実現を目指す企業です。2022年2月には、地方創生テレワークに先進的に取り組む企業として、内閣府より「地方創生テレワークアワード(地方創生大臣賞)」を受賞。ルーツであるIT企業としての強みを活かし、官民連携のまちづくりに寄与するなど、都心部のテレワーカーと富士吉田市を繋ぐ架け橋としての役割を担っています。
「偽りや取り繕いのない本来の姿」=「自分らしい」と定義した場合、理想の働き方ができている人はどのくらいいるのでしょうか。
キャップクラウドでは、理想の働き方は人それぞれだと考えています。
「毎日オフィスに出社して働きたい人」「仕事と育児・介護を両立して自宅でフレキシブルに働きたい人」など、価値観や事情は人によって異なりますので、1つの理想形を掲げるのは難しいからです。
自分らしく働ける環境を整えるためには、働き方をパーソナライズ、つまり「一人に一つの働き方」ができるようにする必要があります。
そのため当社では、これまで「場所」や「時間」に制約を受けていて活躍できなかった人がもっと活躍しやすい社会にするために、それぞれの事情に寄り添ったうえで社内体制を整え、各社員が活躍しやすい環境を手に入れられるようにする事業を展開しています。
▼企業理念
「働き方、パーソナライズ」
-働き方の選択肢を増やし、自分らしい働き方を選択できる社会に-
▼主な事業
(1)中小企業向けのクラウドソリューション事業
(2)山梨県富士吉田市で展開している地域活性化事業
2018年の自社サテライトオフィスの開設を皮切りに、コワーキングスペースや中長期滞在施設など、都心のリモートワーカーの受け皿となる施設を市内で続々と展開しているキャップクラウド。物理的なサービス提供だけではなく、コミュニティ形成やビジネスマッチングにも力を入れています。今回は、そんな富士吉田市の地域活性化事業にて責任者を務める北田萌さんにお話を伺いました。
――現在のお仕事の内容について教えてください。
現在は、ドットワークプロジェクト事業統括責任者兼コミュニティマネージャーとして、富士吉田の地方活性化に関するプロジェクト全般に関わっています。当社が市内で展開している施設の運営をはじめとし、ご利用者様への市内の案内や、施設に関わる方たちを核としたコミュニティ形成・ビジネスマッチング・イベント開催のサポートが主な業務内容です。ご利用者様や市内外の関係先の皆様との日常的なコミュニケーションを通じて、地域コミュニティとリモートワークを繋ぐことを目指しています。
――この会社に転職しようと思ったきっかけは何でしたか?
前職でもコワーキングスペースを展開する企業に勤めており、そこで営業兼コミュニティマネージャーとして働いていました。当時の私はプライベートの時間を犠牲にしてまで利益を追い求めるような働き方をしていて、今の生活から抜け出したいと思ったことが転職を考えるようになったきっかけです。ただ、悪いことばかりだったわけではなく、前職での経験からコワーキングスペースが地域コミュニティに及ぼす影響について興味を持つようになりました。そこから大学院に通って地方活性化の研究をすることに決め、フルフレックスで働けて、かつフィールドワークができる場所への移住を検討するようになったのが大まかな流れでしょうか。そして、その全ての条件が揃っていたのが、富士吉田市でありキャップクラウドでした。
――入社後に生活の変化はありましたか?
最近ではさすがに慣れてきましたが、ノルマに追われる日々から脱したことで、転職したばかりの頃はこれで良いのだろうかと感じていましたね。生活における大きな変化といえば、やはり2つの大学院に通い始めたことです。とはいえ、勤務時間の相談はいつでもできる環境なので、仕事と勉強の両立はかなりバランス良くできているなという風に感じています。正直、転職前はフルリモートで上手くコミュニケーションを取れるか不安でしたが、当社では定期的にオンラインで全員と顔を合わせる機会があり、雑談の時間と業務上のやり取りもハッキリと分かれているため、円滑に連携が取れている印象です。お互いに理解し合える関係性を保ちつつも、簡潔なコミュニケーションで仕事が早く進むため、とても理想的な環境だと思います。
――お仕事でやりがいを感じるのはどんな場面ですか?
やはり直に地域に貢献できていることがわかる瞬間は嬉しいですね。私はコミュニティマネージャーとしての業務も行いますが、そのなかで市内外を問わずに需要と供給をきちんと汲み上げて、コミュニティ内で理想的なマッチングを実現できた時の喜びはひとしおです。また、地域の声をもとに新しい企画を立案する機会もあるため、それがイベントなどの形で実現し、たくさんの方が喜んでくださる様子をこの目で見られるのは励みになります。企画の内容もビジネスに限りませんので、幅広い世代に色々な価値を提供できていると実感しています。
――富士吉田の魅力だと思う部分を教えてください。
良い意味で人との距離間が近く、理想的なマッチングに繋がりやすいことでしょうか。新天地で何か新しいことにチャレンジしたいのであれば、まずはそこに何年間か住んで地道に信頼を積み上げる必要がありますよね。その点、富士吉田市には人の集まる場所も多くあり、人と人が繋がるための土壌が整っている印象です。すでに醸成されているコミュニティを基点に、やりたいことを早い段階で実現できる環境は、このまちの一番の魅力だと思います。生活面でいえば、移住前には生活も少し不便になるかと思っていましたが、こちらも良い意味でまちがコンパクトで生活しやすいため、徒歩移動でも快適に過ごせています。また、観光地なので素敵な飲食店も多く、以前よりも外食やテイクアウトをする機会が増えましたね。
――どのような人がキャップクラウドに向いていると思いますか?
施設の利用者層は会社員からフリーランスまで幅広いため、ビジネスや趣味のお話など、日々さまざまな話題が飛び交っています。そのため、必ずしも得意である必要はありませんが、人と話すことに抵抗がない、もしくはもう少し人と上手く話せるようになりたい方はすごく向いていると思います。また、プロジェクトやイベントの企画運営といった業務もありますので、主体的に物事を進めることに関してご経験がある、もしくはやる気があってチャレンジしてみたい方だとなお良いかもしれません。あとは、個人的な感想になりますが、経済的な豊かさも大事だけれど、社会的な豊かさをどう充実させていくかを大事にできる方と一緒に働きたいなと思っています。
――今後の目標を教えてください。
まずは今取り組んでいるコミュニティ形成をより活性化させることでしょうか。多様な悩みを抱える地元企業や地域住民と、地方にはないスキルを持った方々を上手くマッチングさせられたら理想的です。そのためにも、当社が推進する日常型ワーケーションを目的としたリモートワーカーの誘致は欠かせません。結果的に富士吉田市のポテンシャルを底上げするような人材を惹き付けることができれば、観光業だけではなく、地域全体の振興に貢献できるのではないかと考えています。当社が富士吉田市における地方創生の要となり、そして富士吉田市が全国の地方創生の先駆者となれるように頑張っていきたいです。
――キャップクラウドへの転職を検討されている方に向けて、メッセージをお願いします。
新しいことに挑戦したい、また新しい環境に飛び込みたいけれど迷っているという方は、ぜひ安心して飛び込んできてください。勤務地となる富士吉田市は、すでにたくさんの方々が色々な挑戦をされており、当社が運営する施設をはじめとし、新しいことにチャレンジするための土壌が整っているまちです。やりたいことを実現し、働き方や地域課題解決の答えを見つけるのに最適な場所だと思います。ぜひここで一歩を踏み出し、私たちの仲間になってみませんか?
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多様な背景を持つ魅力的なメンバーが集い、それぞれが理想とする形で前向きに働いているキャップクラウド株式会社。まさに「一人に一つの働き方」を体現しているように思います。地域活性化との相乗効果で、まちと一緒に自身もスピード感を持って成長できそうな環境ですね。 聞き手 / 三枝善貴(ライター)